共同幻想? 擬似恋愛!



   まさか自分でも、同じ歌手の同じコンサートツアーに2回行くなんて思いもしなかったよ。
 つうか自分そんなにミッチー好きかぁ?
 真冬の金沢でも、春まだ遠い長野でも、光博様の為にノースリーブ着て気合い入りまくりになるほど好きなのか?
 どうなのよ。そこらへん。

 ということで、今回は僕は何故ミッチーを好きか、を呟く……というよりも熱く叫んでみたい。

 一番好きなところは? と訊かれて「笑顔」と答えてしまったらばsummerと一緒になってしまうのでぇ……「奥二重の目♪」辺りにしておこう。
 まあそれは2割くらい冗談で(ってことは80%本気か)、一番好きなところは自己演出を徹底的にやる頭の良さ。
 ミッチーは音楽の中だけが表現世界ではなく、キャラクターそのものを演出することによって「僕、ミッチー」と見る人に提示しているのだ。ナルシスティックな自分、ロマンチストな自分を、リアリストである自分によって完璧にコントロールする努力をしている。そのコントロールする姿勢すらも自己演出の一部とする。そこが好き。
 虚像と実像を上手くブレンドし、そのブレンド加減を個性として売る。美味しいコーヒーを出すと評判――ただし不味いと言う人もいて好みが分かれる――の喫茶店のマスターという例えが一番しっくり来る気がする。コーヒーの味はもとより、内装や食器、BGMなんかもマスターの趣味で統一されている。で、それを気に入ったお客さん(=ベイベー達)が通う、知る人ぞ知る名店「ミッチー」。うん、そんな感じ。

 さて、喫茶「ミッチー」を知る方法としては、マスターの言葉や店内から零れるBGMを聴いたり(=CDを聴く)、お店の外観を眺めたり(=TVや写真集のミッチー見る)する方法もあるが、一番手っ取り早いのはやはりお客さんになってしまうことであろう。
即ちワンマンショーへ行けばいいのだ。
(はいはーい、こっから叫ぶよー。熱いよー)

 彼のワンマンショーは本当に面白い。実はCDで聴くより歌が上手い(爆)。CDでそれほどいい歌だと思わなかったものでも、ライヴで聴くと「名曲かも!」と勘違いしてしまうくらいだ(ここで複数人から「勘違いってなんだ!」と毎回突っ込まれる)

 ワンマンショーはミッチーとベイベー達の共同幻想の空間。一晩どっぷりミッチーと共に過ごして自己解放するのだ! 翌朝目が覚めたらお肌ツルツル、ホルモンバランス整っていること間違い無しよ。

 上記段落(↑)はミッチーがパンフレットでもライヴ中にも言っている言葉だ。因みに彼は「愛とは共同幻想」「SEX=自己解放」「ライヴはセックスと一緒」とも言っている。さあ、上記段落を深読みしよう……いやあんvv
 ワンマンショー参加の条件はただ一つ。「ミッチーを愛する事」
 当然それは一夜の恋なのだが、ベイベー達はその擬似恋愛に全力でのめり込み、ミッチーはその想いを受けとめ2倍3倍にして返す。観客と出演者の距離が非常に近いのがワンマンショーの特徴だろう。
 擬似恋愛を納得ずくで演出する男ミッチー。言いかえるなら
 本気で遊びの恋ができる男ミッチー。
 擬似恋愛を擬似恋愛として楽しまさせてくれるなんて、なかなか無いじゃない? 

 絵画でも舞台でも、勿論音楽でも、「その作品が好き」という感情は恋に似ている。おそらく僕は、及川光博という頭の良い男が作った作品「ミッチー」が好きなのだ。
 それこそ、恋に似たような気持ちで。

 僕がミッチーを好きな理由。それは彼の演出する恋の魔法にかかっているからとしか言い様がない(笑)。     →どんな魔法? こんな魔法♪  



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