2匹目のジンクス



   柳の下にはもうドジョウはいないのだ。

 映画でPART2を作るとコケル、というジンクスがある。そりゃあ『タイタニック』で実はディカプリオは生きていた!なんてやられちゃ、ドジョウも客も逃げるよな。 (いや、まだ『タイタニック2』が出るわけでもないけどね。ガセかもね)

 さて10月23日放送の月曜ドラマスペシャル。以前“斬新な2時間サスペンス”と題してこの「踊り子の呟き」に載せたドラマのことを覚えている方はいらっしゃるだろうか。あのブラボーハラショー馬鹿万歳!な2時間サスペンスが帰ってきたのだ!!

Gメン'75

と名前を変えて。
 Gメン'75!Gメン'75!!リアルタイムでも再放送でも見ていない僕にとっては、伝説のGメン'75である。ちょっと待て、“変装の達人、鬼沢平吉の事件ファイル2” じゃないんか!キャストも得意技も全部おんなじくせにぃぃぃ。と、文句を言いながらとりあえず見る。

 ハイ、今回も内容はどうでも良いとしましょう。白血病の骨髄ドナーとなる殺人未遂罪の男が護送中に逃げた!半人質状態の京本正樹!白血病患者は小林稔侍の身代わりとなって死んだ後輩の婚約者だ!頑張れ、負けるな特捜部!!という話だった。
(まー、裏に警官の不祥事が隠されていたり、共に逃亡する二人の間に仲間っぽい空気が流れたり、とお約束盛り沢山でもあったけどね)

 ドラマが始まって5分もしないうちに、

京本正樹の顔をベリベリとはがすと、中から小林稔侍が!
(しかも「しつちょ―、また騙されちゃいましたよぉ」と言う特捜部の面々。お前らホントに大丈夫かぁ!?ウエストの違いで気付けよ、京本自身も!)

という馬鹿っぽさもまるで変わっていないのに、あえて“Gメン'75”と名付けてパート2のジンクスを避けたのである。

 だがしかぁーし!なんと前回伏線はすでに張ってあったのだ!!

 “鬼沢平吉の事件ファイル1”のラストシーンで、20秒ほどの台詞で美味しい所を全部かっさらった男がいた。特捜部を秘密裏に設立した警視総監、丹波哲朗その人である。
 今回“鬼沢平吉の事件ファイル2”で、丹波哲朗の役名が公表された。

黒木長官

である。
丹波哲朗は、Gメン'75でリーダー(室長?)役をやっていた。そしてその役名は黒木。…………成程、出世したんだね
 まさか腰が砕ける大爆笑サスペンスドラマに、こんなに深い思惑が張り巡らせてあったとは!タイトルを『Gメン2000』(←かっこわる!)や 『Gメン'00(ダブルオー)』(←あ、結構いいかも)としなかったのも、なにかしら意図的なものを感じるほどである。

 そして今回も注目のラストシーン。逃亡犯が丹波哲朗の鶴の一声で特捜部、碓井刑事になってしまうのだ。林業試験場の職員が試験も受けないで刑事になれるんかーい!あああ、オープニングは滑走路を歩く6人だったのに、エンディングで7人になってるよー。増えてるよー。
 このプロデューサー絶っっ対、

3匹目のドジョウを狙ってやがる。

 

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