斬新な2時間サスペンス



サスペンス劇は時代劇である。
マンネリズムと呼ばれる暗黙の了解が‘みつしり’と詰まっているからだ。
すごいよー。サスペンスドラマ。
どれだけ原作が「山村美沙」だろうが「森村誠一」だろうが「西村寿行」だろうが、

犯人出てきた瞬間にあやしすぎ。

だったり、 なぜか海岸(しかも崖)に瞬間移動して動機を話す。

という素敵なツッコミ所が旗本退屈男の衣装のようにある。
しかしそんな永遠のマンネリズムにもついに転機が訪れたのだ!
12月6日月曜の新聞欄から引用してみよう。

変装の達人!!警部鬼沢平吉のファイルE
箱根温泉郷の連続殺人。事件の謎は昔愛した
女にうりふたつの女だった。
愛か五億円か女は二つに一つの選択だった。


このドラマはすごかった。
事件の内容なんてもんはどっかに置いとくとして、設定が冴えてる。
不祥事を犯した警官が飛ばされる部署「特捜課」。しかしてその実態は、あま
りに優秀な捜査のプロ達が集まる場所だった!
いつも競馬中継しか聞いてない男、トランプ占いばかりするおネエ言葉の男
(京本正樹!)、つっけんどんな女、そして折り紙ばっかりしている室長=鬼沢
平吉(小林稔侍)、通称鬼平。飛ばされてきた「拳銃を奪われた間抜け警官」
(赤坂晃)は自分の将来を悲観するのだが……。
女は読唇術が出来るし、京本はプロファイリングできるし、男(名前忘れた)
はアクション全般OK。そんなこんなで1時間半。……あれ?変装の達人は?
と思っていたら、犯人が殺した男が突然目の前に現れる!驚く犯人!
「あんたは殺したはずよぉ!!」
そいつがかつらを取る、服を脱ぐ、あごに手をかけてツラの皮を引っぺがすと
なんと!

かっちりスーツを着込んだ小林稔侍が!

(しかも小林稔侍は一回も殺された男と顔合わせてない!)
大爆笑。すごい、素敵だ、馬鹿っぽいぞ、ブラボー月曜ドラマスペシャル!
今だかつて2時間サスペンスがこんなに笑えたことがあっただろうか!
惜しむらくは、せっかく変装の達人なんだから、登場人物が実は全部小林稔侍
(それはもう刑事から犯人に至るまで)だったらもっと笑えただろうに。
それじゃあ「一人忠臣蔵」やっちゅうねん。

しかもこのドラマ、シリーズ化する気満点である。
今後の展開に期待したい一品である。


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