俺の光


 オスカル

 お前を見つめていたい

 お前を見つめていたかった


 星を頼りに海を渡る船のように

 陽に向かって伸びる若枝のように

 俺はお前を求める


 お前という輝きは俺の世界を包み

 全てを目映く照らした

 光は俺の行く道を照らし 俺を導き

 ずっと俺は光を追いかけてきた 



 光に触れたくて

 光を抱きしめたくて



 そして

 遂にこの腕に光の全てを捕えた時には

 俺はもう

 そのぬくもりしか

 感じられなくなっていた



 七月の朝焼けが瞼に触れる 

 お前の輪郭が振り向いたその瞬間



 光が 見えた



 蝋燭の炎だけは見えるように

 自ら光を発するものは

 まだ俺の瞳に映るのだ

 朝日を反射するお前の金の髪のように

 お前自身のように 



 オスカル

 俺の光 俺の炎

 夜の海に漂う俺を導く煌き

 俺が手を伸ばす唯一の輝き

 愛しい 最後の灯火


 小さな光の欠片が残る限り

 お前についてゆく



「アンドレ、いくぞ! 用意はいいか?」





8巻のあの台詞は、いつもアンドレに投げかけられて
いたのだろう、と思った所より書いてみました。
……ボキャブラリーが貧困ですな。



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