神様 ――W――
神様
私は誇り高くあろうと生きてきました
私は揺るぎない自信と共に生きてきました
誇り高く生きる
自信に満ちて生きるそれは自分の行いを肯定すること
決して後悔しないこと
そのように私は生きてきました
貴族として
軍人として
そして
男として
彼女への求婚も
彼女への口付けも彼女から身を引いたことすらも
私は私の生き方のままに
自信に支えられた全肯定できる行動でした
しかし 今となって
これほどの後悔が襲ってきています
おそらく私は一生後悔し続けるでしょう
あの夜の庭園で
彼女の手を放した瞬間を
神様 神様
もしも奇跡を起こしてくださるなら
あの宵に私を返してください
彼女の手の甲に唇を寄せて
そのまま彼女を抱き締めてこの胸から離しませんから
彼女を 永遠に失わないように
どうか
時間を戻して