桐野タイトル

インタビュー・対談その他
2003年

雑誌等に掲載された桐野さん関連記事を集めています。
但し、単なる書評は除いています。
引用は偏見で選んでいますので、ご注意下さい。
全文を読まれることをお勧めします。

イ:インタビュー、エ:エッセイ、ト:トークショー、他:評論他、対:対談

発行 雑誌・新聞名 内容等
2003.12.25 週刊朝日別冊
小説トリッパー
2003.WINTER
※特集 100パーセントの純愛小説
※対談 桐野夏生×三浦雅士
※「恋愛小説に『エグく卑しい感情』を」
『小説の中で女が毅然として強いと、拮抗して男も強くなって魅力的になるんです。だから登場人物を強くしたら、周りの人物全てが強くなっていくんです。つまり、一人が輝くと、他も輝かなければお互いが目立たない。』
『単純に「男たるものこうだ」というこだわりがない人ってカッコいい。』

『しつこいですが、石山は優しいけど強い男です。』
#文芸評論家・三浦雅士氏との対談。三浦氏の日本文学と桐野作品との比較文学論も面白いが、それを切り返す桐野さんの答えも切れている。活字ですが、こんなに緊迫感を感じる対談は初めてです。
村上春樹、谷崎潤一郎、金子光晴、正岡子規…。桐野さんの懐の深さにも改めて感心しました。
必読です。
2003.12.1 北国文華
 第18号
※カラーグラビア
※21世紀の顔 K  桐野夏生
『私の小説スタイルは、泉鏡花文学賞に合わないような気がしていましたが、栄えある賞をいただいてとてもうれしい』
#5ページにも及ぶ堂々のグラビア。泉鏡花文学賞の授賞式の模様が掲載されています。
仕事場での写真のバックに写った本棚。どんな本なのかぼんやりしていてほとんど分からなかったが、「空の名前」や「宙ノ名前」は見つけた。りゅうも持っているので思わずニッコリ。
2003年11月20日 北日本新聞 ※かなざわ通信
※泉鏡花文学賞に2人
※丸谷さん・桐野さん受賞
#11月14日に金沢市文化ホールで行なわれた授賞式の模様が報じられています。
ひな壇にお座りの桐野さん、丸谷才一さんのお写真が掲載されています。
2003年11月8日 読売新聞 ※アクセスポイント
※体力は秋 心は真夏
『しかも、衰弱は悪いことでもない。本当に失いたくないものとは何か、ということを明確にするからである。失いたくないものに気付いた人間は、強く生きられる。体力は秋でも、心は荒々しい真夏の太陽と同じである、と言ったら、若い人は驚くだろうか。』
#桐野さんの力強いお言葉に、感動しました。
2003年11月1日 小説すばる
2003.11号
※発作的特別大アンケート
※106人の作家に聞きました。
※灼熱の地獄か? 究極のバカンスか?
※明日から無人島に流されることになりました。
 私物を3つだけ持っていけます。
 あなたは、なにを持って行きますか?
#果たして桐野さんはなにを持って行かれるのでしょうか。
2003年10月23日 週刊文春
2003.10.23
※「この人のスケジュール表」 
※泉鏡花文学賞 桐野夏生 
『小説を書くのは孤独な仕事ですから、どこかで誰かが見て下さっていて、賞まで頂けるのは特別に嬉しいですね。』
#受賞を受けてのインタビュー。
来年2月に出る新作「残虐記」と年明けから毎日新聞で始まる連載小説の準備の話もあります。
連載小説はなかなか面白そうです。「残虐記」は「アガルタ」のことなんでしょうか?
2003年10月1日 オール読物 ※特別対談
※悪意を小説で昇華させたい
※皆川博子・桐野夏生
『悪意は、文字でしか表せない、言葉でしか表現できない感情です。映画でも難しいですね。映像ですと、殺意は見えても、悪意はなかなか見えない。』
#皆川博子さんとは、オコナーの絶版本「賢い血」をお借りしたのがご縁とか。
とてもよい対談で、今までのベスト対談と言って良いんじゃないでしょうか。
2003年9月13

読売新聞 ※アクセスポイント
※死者はどこにいるか
『先週、ニューヨークのグラウンド・ゼロに行った。予想に反して、ビルの跡地は狭かった。まさに、ビルの谷間である。瓦礫は片付けられていたが、仕残した工事現場のように殺風景で、穴が大きく穿たれている。周囲はフェンスが張り巡らされ、何をどうしていいのかわからないという戸惑いに満ちていた。』
2003年10月1
編集会議
2003年10月号
※巻頭ロングインタビュー
※女性に潜む”怪物”に迫る
※桐野夏生『グロテスク』
『でも、意外だったのは、これは女性のための小説だと思っていたのに、案外と男性が面白いと言ってくださったことですね。かえって女性からは、ここまで書かれると「痛い」という感想が多い。』
#東京ドームへ巨人−広島戦を見に行った時、時間待ちの山下書店で見つけました。「グロテスク」だけでなく、作家になった動機や作家としての現在の心境をも語る、堂々8ページにも及ぶフルカラーロングインタビュー。次回書き下ろし「楽土」についての紹介や今やってみたい職業、そして初めて桐野さんの作品を読んだ娘さんの「グロテスク」評の話もあり必見です。
はじめて明かされる「楽土」の内容とは…?桐野さんがやってみたい仕事とは…?娘さんのグロテスク評とは…?是非「編集会議」を読んでご確認ください。
2003年9月6
ダ・ヴィンチ
2003年9月号
※ヒットの秘密
※『グロテスク』桐野夏生
※怪物(モンスター)を書こうと思った。
 ペインフルに生きている、女たちの希求の物語を
『昏い洞窟の奥には訳のわからないものが棲んでいる。それで怪物という意味になったらしいの。怪物を書こうという意識があった。それでグロテスクなんです。』
#グロテスクはグロット=洞窟からの派生語。とか。 
2003年9月5
週刊ポスト
2003.9.5
※POST BOOK WONDERLAND
※著者に訊け!
※厄介なダブルスタンダードの中で働く女の生存競争は男より厳しい
※桐野夏生氏
『「男のイ依存競争は厳しい」と、男性はよく口にしますが、女の生存競争だって厳しい。社会にでればあのコは仕事はできる、でも可愛くないとか、仕事はできないが可愛いからゆるすとか、厄介なダブルスタンダードの中で生きなければならない。男の人は、仕事はできるけど顔がね…とはあまりいわれないわけで、女よりはややシンプルです(笑い)。』
2003年8月24日 サンデー毎日 ※桐野夏生インタビュー
※「東電OL殺人事件」をモデルにした最新作
※「男と女の戦争…。男との戦いに敗れ、戦死していった女たち。だから切ない。」
『ユリコは「わたし」から見ると「頭が悪い」のですが、本当は明晰で一番言葉を持っている人間。分析的に物を考え、客観的に起こったことを語ってくれる人です。』
#堂々5ページに渡るインタビュー。写真も多いです。
2003年8月9日 読売新聞 ※アクセスポイント
※恐怖知らぬ子供達
『だから、子供の私は、酔っ払いが恐かった。どんな立派なおじさんでも、酔えば顔が赤らんで声が大きくなり、急に下卑て見える。酌をするおばさんも、媚びる目をして見知らぬ女になる。
夜はそのうち明ける。だが人間の豹変が最も薄気味悪く、対処しようにもどうにもできないものなのだ。』

12歳の少女達の監禁事件を受けた感想について述べておられます。
2003年8月1日 小説現代 ※『グロテスク』新刊インタビュー
※彼女が世界を手に入れた「瞬間」  桐野夏生
『あの「わたし」という人はイメージがあったんです。語り部自身が信用できない。その語り部がだれに話しかけているかのかというところも謎なんですね。「そうでしょう」と話しかけていますが、もしかすると鏡を見ながら自分でしゃべってるかもしれない。独り言かもしれませんよね。そういう薄気味の悪さをただよわせつつ、心の迷路に入るような物語にしたいなっていう気持ちがあったんです。』
2003年7月20日 スポーツ報知 ※BOOKセレクト
※ひどすぎる現実超える小説の力信じる
※「現時点での最高傑作」
『(事件を)ヒントにはしているけど、モデル(小説)ではない。わたしは女たちの普遍的な問題を掘ったつもりだから』
#行きつけの喫茶店で何気なく読んでいて、この記事を見つけました。りゃうは毎日、新聞を目を皿のようにして関連記事探すのですが、スポーツ新聞とはちょっとフェイントでした。これからじゃんじゃんインタビュー出てくると思うので、ますます大変になりそうです。ところで各書評は、「毎日新聞」「読売新聞」「週刊文春」などべた褒めです。今のところ「朝日新聞」の松浦寿輝さんの評論が最も気になっています。
2003年7月18日 読売新聞 ※解放感求めた女の変貌
※桐野夏生「グロテスク」を語る
※抑圧にゆがむ心
※複数の証言で立体的に描く
『その女性にとって、売春婦となってさまよっていた時間は、ある意味で抑圧から解放された、生きる時間を得ることだったと感じた。』
#タイトルは「何かにこだわるあまりゆがんでしまう怪物」の意味で選ばれたそうです。
2003年7月5日 北日本新聞 ※読書
※フラナリー・オコナー全短篇(フラナリー・オコナー著、横山貞子訳)
『高い教育を受けた娘は、聖書売りの若い男に誘惑される。が、男は娘の義足を盗み、置き去りにして逃げる。「自分は義眼や義足など珍しいものを集めているのだ」と。「珍しい物」を着けていた娘は、ただそれだけの価値でしかなかったのだ。義足の娘は、オコナー自身の姿でもあろう。』
#「OUT」の冒頭に、「絶望とは…」というオコナーの一文を引用されています。
2003年7月5日 読売新聞 ※アクセスポイント
※テニスのような会話
『値踏みされている視線を感じつつ、すべて自分の仕事に結び付けて的確な答えを返し、言葉で圧倒しなくてはならないのだ。やはり、テニスの試合なのである』
#「会話」を、桐野さんの英会話の先生は「テニス」になぞらえ、日本では「キャッチボール」と表現してきた。「OUT」が英語等に訳され、海外メデイアからの取材があったが、やはり「テニスの試合」であった。と、海外メディアの取材方法、「会話」、コミニュケーションについて述べておられます。良いエッセイです。
2003年7月1日 オール読物
2003年7月号
※日本推理作家協会賞 
  選評<長編および連作短編集部門>
※小説のキジツ 桐野夏生
『人生の期日がいずれ必ずやってくるように、小説の世界にも期日がある。終わり方をどうするのか。世界を閉じるのか、開くのか、続けるのか。今回ほど、小説の終わり方というものを意識して読んだことはなかった。』
2003年7月1日 ダ・ヴィンチ
2003年7月号
※eNOVELS
※掲載作家からのひとこと
※反省の弁   桐野夏生
『これら全部の、言葉にならないムラムラをひっくるめ、かつ読者の欲望をも想像して作品に昇華する、なんてことは至難の技なのである。そして、もうひとつ。作家とはいえ、自分の欲望を露にすることに躊躇いがある。私のミーハー初志も、思えば覗き見趣味だった。反省している。』
e-ROTICAの企画の発案者は桐野さんだったようである。官能小説の難しさを述べておられます。
2003年5月31日 読売新聞 ※アクセスポイント
※新興宗教、どう見るか
『その意味で、信仰とは差別と迫害の中でどう変質するかわからない怖さも秘めているし、試練に耐える個人を魅力的に見せることもあるのだ。映画はそのどちらともつかない難しさを示した。後は、小説の役回りだろう』
#森達也監督のドキュメンタリー映画「A」と「A2」を見て、信仰についての難しさを述べておられます。
2003年5月1日 オール読物 ※ブックトーク 桐野夏生 『リアルワールド』
※魂と現実世界のリアルがせめぎ合う
『あの年代の少女はすごく冷めているように映ります。それは、自分を抑え込んで、防御して生きているからだと思います。同じクラスでもグループが違うと、話もしない。ニックネームも、ギャグもそのグループでしか通用しない。そういうたこつぼの中に入り込んでいる。』
2003年3月27日 en-taxi ※en-taxi's column 
※「凡人が悟る」 桐野夏生  cinema
『成功を得ても、現実の作家を取り巻くものは不幸ばかりである。それでもなお書かずにおれない愚かしさを持つ者こそが作家だとしたら、映画のつまらなさはまさしくエクリチュールの野蛮さを取り逃がしたことだろう』
#最近見られた、女性作家を主人公にした映画についてのエッセイです。
2003年4月8日 読売新聞 ※アクセスポイント
※人ごとではない新型肺炎    桐野夏生
『つい最近、北京に旅行した。(略)
翌日は紫禁城に。広場、レリーフ、玉座の見物の繰り返し。次第に巨大なマトリョーシカに倦んでくる。夜、羊肉しゃぶしゃぶ。最後の日、万里の長城へ。(略)
北京から帰国して、今日で六日目。あと、四日で潜伏期間が過ぎる。それで何事もなければ、やっと無事の帰還となる。もし、発症したら、北京での私の行動を参考にして感染経路を突き止めていただきたい。』

#「香港と広州の流行だからと心配ないと旅行者の人に言われ」北京に旅行されたようです。
日本に最初に病原体を持ち込んで日本人にならないようお祈りいたしております。
2003年4月8日 婦人公論
2003年4/22
N゜1128
※特集”きれい”の種はあなたの中に
※権威を嫌い、変化を愛し 女は、美で武装する   桐野夏生
『ただし、仕事に対する姿勢は誇れますよ。超まじめ、ワーカホリック、仕事大好き。ほかの人が見たら、たかが小説というかもしれないけれど、私にとっては生きていく上ですごく大事なもの。小説を書くということにおいては、常に緊張しているつもりです。』
2003年3月16日 Yomiuri Weekly
2003.3.16
※新世紀図書館 著者からのメッセージ
※「リアルワールド」集英社    桐野夏生さん
『自分の心の中の世界を大事にしながら生きることの難しさ。現実社会と心の中の世界と、どちらが本当の<りリアル>なのだろうという問いかけ。ミステリーではありませんから謎解きはありませんが、これは私の小説の普遍的なテーマだと思っています』
2003年3月16日 いきいき
2003年4月号
※特集 これからひとりで生きていくときに
※親子の関係  桐野夏生
『母と子となってこの家にいるのだから、この家で互いに生き抜くことしかない、ということ。ともかく今日を生き抜いてくれ、カップラーメンでも食べて、そんな気持ちでした。』
#小説を書き始め、あまり娘さんのことを見られなかった頃の心境を振り返って。
2003年3月1日 小説新潮
2003年3月号
※グラビア 第3回 ホラーサスペンス大賞受賞式
『桐野夏生氏も、「読者としては作品に敬服していますが、お二人には『精進なさいませ』と申し上げたい」とエールを送った。』
2003年3月1日 HHK
土曜オアシス
※すてきに人生 桐野夏生
#「指から血が出ている」「お前は何事にも中途半端である」「生きててよかった!」などを節目の言葉としながら、大学卒業から今日までをお話しておられました。OL時代の貴重なお写真から、お子さんが幼児の頃のお写真も出ていました。
新作「リアルワールド」についての紹介もありました。
好きな言葉?大事にしている言葉?として「好奇心と想像力」を色紙に書いておられます。
白いお服がとってもよくお似合い。女優の万田久子さんよりよっぽどお綺麗なのではないでしょうか。
この番組はとってもいいです。
2003年3月1日 TVステラ ※専業主婦からベストセラーを生み出す作家になるまでの道のり
『才能とは恵まれるものではなく、むしろ欠落のことだと思う』
#土曜オアシスの番組紹介です
2003年3月1日 読売新聞 ※アクセスポイント
※痩せる創造の力
『本を巡る状況はとうに作り手の意図や願いを遠く離れている。愛のない場所で摩滅するまで売られ続け、単なる暇つぶしとして消耗されるのだと思ったら途端に淋しくなった。』
#本が売れなくなった状況を慮ってのエッセイ。
2003年2月27日 TBS
はなまるマーケット
※はなまるカフェ 
#「写真館」では、仕事場、ブーツ、古着、飲み会の写真を、「おめざ」としてバームクーヘントゥルムを紹介されています。紹介された本は、「OUT」「柔らかな頬」、そして新作「リアルワールド」です。
略歴や「OUT」についてや中村うさぎさん等とホストクラブにいかれた話をされていましたが、桐野さんはちょっとお堅い印象。やっぱり司会者が良くないのでしょうか。
#録画をもう一度見直してみるとそれ程悪くない印象。でも、二回も質問を確認されたのは、相当上がっておられた上に、司会者の質問の仕方が良くなかったのでしょうね。
ぜひ次は「さんまのまんま」で新作の紹介をして頂きたい。もっと違う桐野さんが見られそうです。
2003年2月1日 小説現代
2003.2月号
※小説現代創刊40周年記念 グラビア企画傑作選
※本誌グラビアを飾った「あの頃の私」
※’94 8月号「近刊近況(『天使に見捨てられた夜』)」   桐野夏生
#乱歩賞受賞第一作刊行直後、吉祥寺の商店街での一枚。とってもグーです(古い)。
他に東野圭吾、真保裕一、小池真理子、林真理子さんなどが掲載されています。
2003年1月18日 読売新聞 ※アクセスポイント
※「ドクハラ」と闘う  桐野夏生
『ハラスメントは、必ずある構造の元に出現する。権力のあるものが、圧倒的弱者に向かって投げかける腹いせだったり、意地悪である。当時は「てめえら、人間じゃねえ」と思わず時代劇の台詞を呟いただけの私だったが、今は「ドクハラ」と言える状況になっただけましだろう。何せ命が懸っているのだ。』
#「ドクター・ハラスメント」が注目されているらしいことから、娘さんが幼稚園児の頃かかったドクターを振り返ってのエッセイ。
2003年1月1日 小説すばる
2003年1月号
※新春女性作家 エッセイスペシャル 私の初夢   「見たい 行きたい ○○たい!」
※絶対に見ない夢 桐野夏生
『「そっちどうだ。どうぞ」
 「チャンネル8でいいジャズがかかっています。どうぞ」
  やれやれ。私は舵から手を離してチャンネル8に切り替える。魚場にに流れるピアノトリオ。何やってんだか。私は膝を叩いてリズムをとりながら思う。(いいなあ、男って)』

#桐野さんの初夢は絶対見ない夢。の中の一つです。

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