探偵と助手



注:今回の呟きはオタクテイスト満載です。ついて来れる人だけついてきてください。

「ごちそうさま。もうお腹一杯です」

 読み終わったばかりの小説に対する僕の正直な感想である。
 シャーロック・ホームズ御大のお陰で探偵小説というものに一つの雛型が出
来ちゃってる気がしてならない。
鮮やかに犯罪の謎を解く、天才的な探偵。そして探偵を支えるいかにも常識人
の助手。
流石にそろそろこの組み合わせには食傷気味にもなるさ。「天才の探偵」だか らって

バイオリン弾けなくてもイイよ!(ホームズ、明智警視、綾小路京)
星占いが出来なくてもイイよ!(御手洗潔)
憑き物落とせなくてもイイよ!(中禅寺秋彦)
過去見えなくてもイイよ!(榎木津礼次郎)
読唇術できなくてもイイよ!(ドルリー・レーン…はともかく、火村英生!)
ましてや女嫌いで助手と妙に仲良くなくてもイイんだよ!(誰でしょうねー、はっはー。)

人格的に問題の多い探偵とそんな彼(彼女)をハラハラ見守る助手!
精神的にヤバイ探偵とそんな彼(彼女)を支える助手!
まっとうな社会生活を送れない探偵とそんな彼(彼女)を心配する助手!
そしてドリーマーの手によって“美人”になってしまう探偵と“可愛らしく”
なってしまう助手!(どこにもそんな表記はないにも関わらず!!)

「うがー!お腹一杯やっちゅうねん!」

 勿論違うやつもあるよ?エド&アム(フレデリック・ブラウン)とかケイと
マリーノ(パトリシア・コーンウェル)、S・F・X・ヴァン・ドゥーゼン&
ハッチスンハッチ(ジャック・フットレル)etc…。エリザベス・フェラーズ
なんか実に気持ちいい「探偵と助手」を書いてくれたさ!
(ここまで何人ついてきてるかなぁ)

 アンシャン・レジームに鐘を鳴らそうよ、シトワイヤン!
 もう探偵に辛い過去はいらないんだよ!
 タキシード着なくてもイイし、黒手甲はめなくてイイし、神父じゃなくても
牧師じゃなくても、助教授じゃなくても、学生じゃなくても、推理作家じゃな
ても、ルポライターじゃなくても、肉親に警察関係者がいなくてもイイんだよ!

ましてや変態性欲の権威である必要なんかどこにもない!


+BACK+  *HOME*