抱かれたい男No.1



 はい、このタイトル見て「なんだよ、どうせ及川光博だろ」とげんなりした人。考えが甘ぁーい。
「え? じゃあ、花椿乱丸君?」と更にツッコンでくれた同志ベイベー達。ご期待には沿えない。

 そして、いいか! 「annan 〜抱かれたい男No1〜」で木村拓哉に投票するそこの女共ぉ! しっかりがっつり聞きやがれ!

次はLOVE PSYCHEDELICOの直樹に投票しろ。

 いってまいりました、LOVE PSYCHEDELICO TOUR GRAPEFRUITS!
 人生2度目のスタンディングライヴで、5階にある会場の床がいつ踏みぬかれるかドキドキしながら飛び跳ねてきたよ。
 でも直樹さん見ながら死ねるならそれでも良いかも。
 前回の名古屋ライヴですっかり直樹さんに惚れ込んでしまった僕。今回の富山Culb MAIROではセンターに立つセクシーキュートガールKUMIちゃんが殆ど見えなかったので、いきおい視線は直樹さんを追いかける事になる。
 Standing birdでマラカスかしゃかしゃ振りながら歌うKUMIちゃんは、オレンジのシャツを羽織って黒いキャミソールをちらりと覗かせる。直樹さんは黒いランニング(いい? このタンクトップではなくランニングという所がポイントよ)のうえに白いシャツ、首には銀のIDプレート、そして茶のレイバンという出で立ちでギターを響かせる。
 なんちゅーか、もう、メロメロ。
 演奏の合間に煙草吹かしたり、吸いかけをギターのネックに挟んでみたり、飲みかけの缶コーヒーを客席の子に渡したり、アンコールには缶ビールを喉鳴らして飲んでみたり、ああ、言い尽くせん!

直樹さん生活態度悪そー! 1歩間違えてたらヒモ男になってそー!

 でもそこら辺がセクシー。むさくるしいもみあげすら超クール。彼にならヒモられてもいい。“にやっ”とか“へらっ”という擬音がつきそうな力の抜けた笑顔――あまり爽やかではない――が見えるたびに「きゃー! 直樹笑ってるー!」と大興奮。それこそ暴走する感情はFree Worldを駆け巡る。

 GRAPEFRUITYou ate itと、タイトルの繋がりがばっちりな曲順。DELICOのライヴはトークもお遊びも少ないらしいが、今回はKUMIちゃんが客席へ本物のグレープフルーツを投げる。ぎゃー! 僕の斜め前の人の手にグレープフルーツがぁぁぁ! KUMIちゃん、後もう50cm後ろへ投げて欲しかったぁー。直樹さんのピックは絶対届かない距離にいるし。くすん。

 アンニュイな雰囲気が強烈な印象を生むunchainedの後はi will be with youLast Smileと有名どころを立て続けに。
 そして、バンドメンバーが袖へ引っ込み、舞台上は直樹さんとパーカスの人のみに。
 これは……これは……よっしゃぁ! インストゥルメンタル曲green!!!
 かっこいい―かっこいいーうひょーナーオーキー。ギャギャっていうギターの切れ具合が最高。もう辛抱溜まらん。この時点で直樹さんは僕の抱かれたい男No.1の座に就いた。
 だってね、だってね、本当に目が釘付けになるほどセクシーなのよ! 汗で張りついたシャツを脱ぐ様とか、あまり日に焼けていないけれど筋肉の線が見える二の腕が弦をひずませる様とか! うっとり……じゃなくて食い入るように見つめてしまうんだよ! わかる? わかってもらえるかな、そんないかがわしい女心が!?(わかんねーよ)

 メンバー全員が再び登場。アルバムでもひと繋がりになっているdry townがgreenに続く。life goes onで前回の名古屋を思い出して(前回のツアータイトルがこの曲の歌詞にあるcircle of mindだった)"O"では高々と上げた手を“O”の字に組み、LOWでは歌に合わせて人差し指を地面へ向ける。LADY MADONNA 〜憂鬱なるスパイダー〜で本編は終了。いやー、まだ直樹さん見ていたいのー。

 ということでアンコール。KUMIちゃんはお着替えがなかったが、直樹さんは黒ランニングから白いTシャツへ。露出度下がってがっかり、とは言えそのピタT加減もなかなか(殴)。
 アンコール1曲目はニューシングル裸の王様。続いてYour Song。これで終わりかな? と思っていたら「今日は最後にスペシャルナンバーがあるんだ」というKUMIちゃん。「あれやるの、久しぶりだね」と“もう若くないのに”という苦笑をにじませる直樹さん。「飛ぼうよ」の声で始まるノスタルジック '69
 飛ばいでか、飛ばいでか! すでに汗だくだったが、更に体中シャワーを浴びたように汗をかく。絶対この1時間半で1キロは痩せた。ステージ上でも直樹さんがギターを抱え飛び跳ねる。あああ、かわいいかっこいいすてき、げんごのうりょくとぼきゃぶらりーがおいつかない。

 真っ白に燃え尽きると共に明日への活力が湧いてくる。DELICOのライヴの威力は強い。
 そして僕はこれから暫く、直樹さんの艶姿を反芻して思い出し笑いをする日々が続くのだ。



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