1999年も終わりにさしかかった頃のことである。友達と一緒に歩いている
と、向かいから腕を組んで歩いてくる二人組が見えた。
(心の声)『ああ、なんか爽やかさんやなぁ。こういうべたべたな恋人って、
見てて厭な感じがするけど、この二人はイイ感じやなぁ』
さて、2000年になって学校が始まった。久しぶりに会った友達と「冬休み
なにしてたー?」なんて言っていたときのことである。
友「彼氏と初日の出見に行ったよ」
僕「へー。でもアベック(イイね、この古い言いまわし!)ばっかりやったん
じゃない?」
友「ううん。家族連れとか、お年寄りもいたし、友達同士も結構いたよ」
僕「初日の出だしねぇ」
友「それで、女の子二人で来てた人に『写真とって下さい』って言って、彼と
撮ってもらっちゃった。……なんか悪いことしたかな?」
僕「いや、その二人も恋人同士やったかも!(笑)」
笑いながらも、僕はこの前見た爽やかさん達を思い出していた。
人は見かけで判断してはいけない。
彼らはもしかしたら恋人同士ではなく友達同士だったかもしれないのだ。
……何しろ男同士だったしね。