燃え上がる恋の炎……そして


  「障害があるほど恋は燃え上がる」
ロミオとジュリエットは家同士の仲が悪かった。しかし、そんな二人は恋に落 ち、次の日には秘密で結婚式を挙げ、1週間後には二人とも死んでしまうので ある。ちょっと燃えすぎ。

「恋に障害はつきもの」
ということで、恋愛マンガには必ず障害となるものが現れる。しかーしっ!男と女がイージーにくっついてしまう現代ニッポンで、もはや「彼に告白したい けどどーしよ―!」で悩む主人公などいない。彼女の心の葛藤程度では障害と は言えない。“心の葛藤”に代表される当人そのものが障害となるマンガなんて彼が超能力者である。(Only you 〜飛べない翼〜)とか、彼女が最終兵器である。(最終兵器彼女)といった、もんのすんごい設定しか通用しなくなってきた。実際これじゃ、燃えるモンも燃えんやろ。

障害の設定は一昔前までとは違い、めちゃくちゃ苦心惨憺の跡が見受けられる。ということで、「花とゆめ」に見る最近の恋愛の障害とは。

「東京クレイジーパラダイス」
警察の息子(実は娘)である彼女と、極道の三代目である彼。彼は彼女が女であることを知っている。彼は彼女にベタ惚れだが、婚約者がいたり、彼女が鈍感だったり、また何よりも極道とカタギという関係は組のモンが許すはずもなく、彼は悶々とした日々を送る。

極道です。暴力団です。少女マンガには珍しい設定ですな。

「花ざかりの君たちへ」
彼女はハイジャンの選手である彼の大ファンで、「彼と同じ学校に行きたい!」と熱望し、男子校に男と偽って入学する。しかも彼とは寮で同室。ところが、女だとばれてはいけないので想いを打ち明けることが出来ない。彼は早々に彼女が女であることに気付くが、彼も彼女が好きなので知らないふりを通す。

実は両想いなのにお互いに片想いを続けてしまわざるを得ない状態。典型ですな。

「Wジュリエット」
演劇部でも男役しか回ってこないようなボーイッシュ過ぎる彼女。そんな彼女の前に抜群に演技の上手い美少女が現れる。ベストコンビとなった二人だが、実はその美少女は男だった。演劇の道に反対する親が「女として高校生活を通せば反対しない」という条件を出したからだ。恋人同士になった二人だが、表面上女同士であるため人前でいちゃつくことも出来ない。

前述の「花君」と同じ様な状態ですが、デートのときに彼女が彼で彼が彼女のように見えるという逆転現象を取り入れています。頑張っています。

このように、基本的には「君が好きでたまらない」路線は変わってないのに、状況設定に複雑さを増し、とんとん拍子に恋が進まないようにしている。というか、ここまでしないともう障害にならないのか!
何がすごいかって

3つともヘテロの恋愛に見えないってことよ!!  ……そして→裏へ



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