おもしい番茶、あるいは文化的衝撃


某日。W氏からの言葉。
  「“おもしい”はいつから標準語になったんや?」

 僕と君が出会ってから、もう3年半の月日が流れました。かなり親しくして
もらってると思っていました。ある程度の相互理解もあると思っていました。
……それでも、僕は。……それでも僕は、君は僕が「おもしろい」という言葉 を

“おもしい”

と言っていることをそんなに奇異に思っているとは考えたこともなかったです。
「俺1年のときもその言葉について指摘した覚えがある」
「アタシの周りの富山県の人でその言葉を聞いたことがない」
「それは君ん家独自の言葉じゃない?」
おもしいって方言ですらないんですかっっ!!!久々のカルチャーショォォック!

そしてまた某日。N氏と僕との会話。
「あーそろそろ夏ですねぇ。冷たい番茶ストックしておく季節ですねぇ」
「冷たい番茶?番茶って冷やすの?」

……夏の冷たいお茶といえば番茶じゃないんですか?そりゃ確かにお向かいの
サオちゃん家も、お隣のハルカちゃん家も夏のお茶は麦茶でした。
番茶ってスタンダードじゃないんですかっっ!!!カルチャーショォォック!!

世の中は難しいです。
人間はある程度自分を基準に物事を考えます。
ですから、自分と違うものを目にしたときにカルチャーショックを感じます。
自分世界は狭いです。
意外とその家独自のルールというものは多いのです。
ですから、感じるカルチャーショックは、結構自分ルールだったりするのです。

あなたの家にもありませんか?そんな自分ルール。

大晦日の夕食はスキヤキである。とか
正月の掛け軸は天神様である。とか
美しい満月には手を合わせて拝む。とか
不吉なことを言った後には「鶴亀、鶴亀」と唱える。とか
夜泣くと山からムジナが下りてくる。とか
寝るときに押入れをしっかり閉めないと、そこから魔物が出る。とか



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